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狩野モデルの視点

優先度をつける行為というのは私は特段苦手なのだが、複数人が関わるプロジェクトでの優先度決めはより難しいようだ。最近読んだ『アジャイルサムライ』の中にも優先順位決めが含まれていた。

プロジェクトを進行するにあたり、自然と順序が決まる。その方略はたくさんある。情報は古いが、私が最近調査しているAHPもそうだし、先日紹介した選挙で使われるシュルツ方式だって順序が決まる。ソフトウェア開発の分野では、狩野モデルというものがあるらしい。 狩野モデル-品質とは - techdmba

機能(フィーチャー)が実現される場合、実現されない場合どのように思うかをアンケートによって評価する方法である。選択肢は「気に入る」「当然である」「なんとも感じない」「しかたない」「気に入らない」の5つ。

この質問をプロジェクトに関わる人々に投げかけて、回答を集計し集計値にもとづいて優先度を決めるというもの。とても便利なように感じる。

狩野モデルにおいて、私が感動したところは、「実現できたとき」と「実現できなかったとき」の真逆の視点で質問をしている点である。片方だけ聞いてしまえばいいじゃないかと思いがちだ。しかし、実際聞いてみるとそうではない。非対称な回答になる。私もときおり間違えるのは、「実現できる」の逆は「実現できない」ではなく、「実現できるではない」である。

日頃、タスクを整理しているとやるべきこと、やりたいことが中心となってしまう。しかし、狩野モデルを踏まえると、Todo(やること)だけではなく、Do-not-Do(やらないこと)という考え方も重要であることがわかる(『アジャイルサムライ』でもやらないことを決めることが重要だと紹介されていた)。