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赤ちゃんに、赤ちゃん言葉で話しかける

「ごはんでちゅか〜?」

なんて、親になったときに私は幼児に話しかけるんだろうか。そういえば犬に赤ちゃん言葉を使う女性もいると聞いた。

Tannenという学者は、普段の会話に情報伝達の側面と関係形成の側面があると指摘した。そして性差によって、側面に違いがあるといった。情報伝達とは部下の報告のように、情報を正確に伝えて情報を共有することだ。関係形成とは言葉を交わし、相手の気持ちを察して共有することだ。

「わかるわかる〜!」の連呼や、目の前にいる相手の表情に合わせて表情が変わることや、冒頭に上げた赤ちゃん言葉は、情報伝達よりも関係形成を意識しているに違いない。

「これがキリンでちゅよー」なんて赤ん坊に言ったところで、「あ、これはきりんですね」なんて反応しないのはわかっている。そうじゃない。ただ、音のコミュニケーションだ。「これがキリンでちゅよー」という音に赤ちゃんに反応してほしい、ただそう思っている。

私は音を発することができて、あなたは音が聞こえている。そんな暗黙の了解の中でのコミュニケーション。大人同士なら、言葉を理解できるというのが暗黙の了解となる。

赤ちゃんは、音を聞くたびにそこに何か共通項を見出す。親の声と顔の向きから、音が「自分の名前」のように思えたり、そこに意味が宿っていることを知る。

私たちは、情報伝達の側面ばかりに注目して、もっと関係形成の側面に注目したほうがいい。今ロボット研究が盛んだが、これに着目しない限り、進展はないだろう。たとえ、シンギュラリティを超えたとしても。