片付け
「この机ともさよならかぁ」
片付けをしながら、ぼそっと声が漏れる。となりからどうしたんですか?と聞かれて、慌ててなんでもないよと返す。
3月になって、引き継ぎの資料とかまとめているとどうしてもいろんなものごとが、感慨深く感じられる。高校生のころはそんなことも考えなかったのに。
歳のせいかな、なんて決して老いてもないのにそう考えるのは、この時期だからかな。
「これ、いる?」
となりで作業をしていた後輩に、有用そうな部品を差し出す。
「数年前なら、欲しかったですね」と、後輩。その言葉に余計月日の流れを感じてしまう。
もうすぐ4年か。この土地で生活を始めてからの時間。もうそんなに経ったのかと思いながら、4年間で自分はどんなふうに変化したんだろうと物思いに耽っていた。