100記事目だったよ、さっきの。
「ねえねえ」
「なんだよ、今手が離せないんだって」机からかじりついているタケルは振り向きもせずに言う。ちょっとくらい見てくれてもいいじゃん。そんなに机が好きかっ。
「さっきの100記事目だったよ」ちょっとむくれながら言ってやった。せっかく教えてあげようと思ったのに。
「毎日適当な記事書いていれば、誰だってそれくらいになるじゃん」タケルの座る椅子がギィっと軋む。タケルは体をこちらに捻りながら、吐き捨てるように言った。
「ズボラなあの人にしては快挙じゃない。」一応フォローしておく。タケルの疑うようないたずらっぽい視線が私を固視する。変な顔をしながらタケルは私の顔を覗き込んでくる。うう、いたたまれない。
「もう少し役に立つこと書いていればいいんだけどね。」ちょっとだけ手のひら返し。
「だよなぁ」タケルは椅子を回転させながら、手を上に上げて、伸びをした。
「でもまぁ、100記事目はめでたい」