駄文をつらねるウェブログ

駄文・乱文・残滓

音楽を聞く

買ってきたブロッコリーを食べたら、おいしくなかったので、食事を終えてぼうっとしていた。 クラシックを聞いて気分を変えようと、「主よ人の望みの喜びよ」と「カノン」を聞いていたら、「四季」が聞きたくなった。

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小学校や中学校のとき、卒業式の入場で流れていたのはヴィヴァルディの「四季」だった。卒業証書が授与されるときには、「G線上のアリア」。3月の卒業式の日は、まだ寒くて体育館に設置されたヒーターをみんなで囲んでいた覚えがある。整然と並んだ椅子と紅白幕は、いつもはガランとしている体育館を別の空間に変えていた。ヒーターから聞こえるゴーッという僅かな音と、私の白い息がよそものだった。

開式したあと体育館は、人がたくさんいても厳かな空気を持っていた。休み時間の度に、駆けまわって騒々しかった体育館も、いつもとのギャップに驚かないのだろうか、と阿呆なことを考えながら座っていた。いつもと同じ場所なのに、気が引き締まるような感覚が同級生にもあったと思う。私は、そんなピリッとした空気が好きだった。周りの友人は、息苦しいと言って嫌うけども、私は制服やスーツは今でも好きだ。

昔の私は当然賢くなかったわけで、うだうだと考えるまでもなく、ただただその荘厳な雰囲気が好きだった。音楽が場所を演出してくれることは、何年も経ってアニメやゲームをやるようになって、気づくようになった。

音楽の効果は、日常でも使われている。たおえいばレストランなんかでも回転率を上げるために、テンポの早い曲を流したり、逆に雑貨屋ではゆったりと店内をみてもらうためにテンポの遅い曲を流したりするようだ。

私たちの生活は日に日に便利になって、ついには音楽を持ち歩けるようになった。何かをしながら音楽を聞くことは一般的だけれど、たまには目を閉じて音楽だけに集中して、思いを巡らせるのもいいなぁと思った今日だった。