駄文をつらねるウェブログ

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外界へ

内面を描くはずだったブログがいつの間にか外界からの刺激に耐えられず、思った以上に外に開いてしまった。

もともと動物というのは、一つの閉じた系というよりも外界へ開いている。感覚器というセンサで得られた情報を内部で処理して、筋肉などを動かすと解釈されがちだが、動物は環境の中に埋め込まれている。感覚器と運動は明確に区別できるものではない。運動によって感覚器への刺激が変わる。刺激を変えることが目的となって運動になる。運動すると刺激が変化して感覚器へ届く。刺激を得るために運動する。感覚器へ刺激が来たから運動するのではなく、感覚器への刺激を求めて運動する。

人間の内面というのは、個人の中に閉じているように見えて、ときには「元気なさそうだね」と声をかけられることもある。閉じているはずの内面がにじみ出てしまっている。上の話を考慮すると、私たちは元気のないときには「外見にも内面を出さなきゃ! 刺激を得なきゃ!」と外部へアピールしているのかもしれない。

人間が複雑に物事を考えているように見えるのは、人間個人の能力ではなく、人間を取り巻く環境がそれほど複雑だということの現れかもしれない。そう、サイモンの蟻を見ながら思った。

http://www.eecs.berkeley.edu/~alspaugh/images/blog/06-29-15/ant-beach.png