話が逸れない
話が逸れることに対して、耐性が無いことに気づいた。
話が逸れると話に追いつくために、エネルギーがいる。そして、瞬間瞬間で切り替わる会話に頭の回転が追い付かない。
私は同じテーマで長々と話をしていた。最初は7人ほどが聞き入っていたが、いつの間にか2人になっていた。気づいたのは、1人の相槌や注釈に私自身がうまく返事をできていなかったことを自覚した瞬間だった。
(こんなにも、コミュニケーションが苦手だったか?)
いつもならもっとうまく返事ができていたが、私が話している今だと、うまく行かない。彼のことばをもっと注意深く聞くようにした。そうすると、ある特徴を見つけることができた。
彼の相槌や注釈は、私の話(テーマ)から遠ざかる方向を向いていたのだった。私はそれを無意識的に察知して、曖昧な返事や生返事をしていたのだろう。その観察から同時に分かったのは、私は私の話(テーマ)をもっともっとしたがっていたという自覚だった。
なんと自分勝手で自分本位な話の進め方だろう。曖昧な返事の繰り返しは、話題を私の話(テーマ)に無理やり固定し、会話の流れを阻害した。その結果いつの間にか関心を失った5人は、会話から去ってしまった。気づいたら、耳を傾けている人は2人だった。
会話というのは、頻繁に流れが変わる。流れが変わってこその会話だ。その流れをせき止めたいと思うのは、きっと語りたがりだからだ。
今日は自分の見えなかった一面を垣間見ることができた。私は欲深い。