続きゆく惰性に果てり漂う
ずぶずぶと、ゆっくりと沈んでいきたい。理想の世界へ。
堕ちゆく先は、悲しみの無い世界。
誰も辿りつけない世界。
誰もが想像した世界。
そこに行き着こうと努力しなかった者が、いち早くそこにたどり着いたのは皮肉。
言葉の意味は、拭きとったようにまっさらになって、音だけが響く。
ただ音が、そこだけに響く。
音の意味を知る必要はない、明確な意味は失われてしまった。
「そうだ」と思えばそうだし、「そうじゃない」と思えばそうじゃない。
ただそこで生きればいい。
失われたものは失われたものとして、拾い集めようとする必要はない。
ただよいましょう。
帰られなくなるその日まで。